天王山から大山崎へ歴史を辿り、そしておいしい水のビール工場へ

京都の西のはずれ大阪との境に位置する天王山。織田信長が天下統一を目前に本能寺で明智光秀に討たれ、その後の天下人が誰になるのか、歴史を大きく左右する天下分け目の決戦の舞台である。今回はその歴史を身近に堪能できる、天王山から山崎合戦の地を巡りたい。トレッキングの最後のオプションとして、サントリービール工場の見学をセットで紹介するので、足に自身のある方はチャレンジしてみてはいかがだろうか。疲れた身体にビールの試飲もまた格別である。

まずはJR山崎駅をスタートし、アサヒビール大山崎山荘美術館を横に見ながら登山道に入っていく。最初は少し急なあれ道を登って行くが、途中途中に「秀吉の道」陶板画と言う秀吉の天下取り物語を解説する歴史散歩を楽しむ版画がある。また山麓の秀吉軍武将たちを山の上から鼓舞するために、旗を立てたと言われる「旗立松」等も見ながら大阪方面の景色を眺めた後は、十七烈士の墓、酒解神社を経て山頂を目指そう。山頂は木立に覆われた城跡のスペースが広がるため、残念ながら周辺の景色を楽しむことはできないが、一休みするには絶好の場所だ。

山頂で一休みした後は小倉神社方面へ天王山ハイキングコースを辿ることにしよう。コースは標識に従って山道を進むのだが、途中には小さな分かれ道や倒木等もあるので、足元の他に頭上にも注意しながら進みたい。柳谷別れ三叉路までたどり着いたら、後は一気に小倉神社に向かって下って行こう。阪急西山天王山駅側の登山口に出れば、その先がもう小倉神社の境内である。ここまでで約7.5kmの天王山トレッキングコースは終了だ。

ここからはオプションのサントリー山崎ビール工場の見学に向けて、足を延ばしていこう。小倉神社から久保川沿いに大山崎ジャンクション方向に進んでいくが、最初の目的地は山崎合戦古戦場碑だ。道はほぼ道なりだが、途中JR東海道本線の下の「ねじりマンボ」を潜り抜けるのも中々面白い。古戦場碑はジャンクション側の天王山夢ほたる公園内にあるが、そこから西側には天王山の山並みを望み、東側にはサントリー工場がすぐ目の前に見える。後は徒歩10分程でサントリービール工場へ到着だが、途中明智光秀本陣跡碑もあり、最後まで天下分け目の決戦の地を堪能できる。小倉神社からサントリービール工場までは約2kmほどの道のりである。

この後は70分程の工場見学とビールの試飲を楽しむだけだ。トレッキングで疲れた身体にビールはまた格別だ。但し、このオプションで注意頂きたいことが2点ある。一つは当然のことながら見学は事前予約が必要なので、トレッキングはその時間に向けて余裕をもってコース計画を立てること。もう一点はトレッキング後の昼食だ。今回工場見学は13:45~のコースだったので、早めに到着して工場近くの食堂で昼食をとる計画をしていたのだが、お盆中のためか生憎昼時も閉店していた。近くには他にコンビニしかないので、この辺りも事前計画の中で注意していただきたい。天王山だけでも歴史を大いに感じられるトレッキングだが、少し物足りない方にはオプションも含めて大山崎を満喫するのも一興であろう。

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