京都一周トレイルRound10
京都一周トレイルRound10、今回は京都一周コースの最終回で栂ノ尾白雲橋から清滝川沿いを辿り、保津川と合流する落合を抜け、嵯峨鳥居本を通り嵐山渡月橋へと向かう西山コース1、全長約12.5kmのルートです。暑かった夏も終わり、漸く秋の気配が漂い始めた10月最初の連休です。まだ、紅葉には少し早いですが、朝の空気も心地よく感じられる三尾からスタートする京都の西の山々は絶好のトレイル日和です。前回は大雨の影響で道路が封鎖されて、このルートをスキップしましたが、今はもう元に戻って漸く足を運ぶことができました。栂ノ尾へは京都駅からJRバスに乗り1時間程で到着です。バス停の目の前には鳥獣戯画で有名な高山寺への参道が伸びていますが、今日はこちらには立ち寄らず、まずは清滝川沿いを西明寺から神護寺方面へ向かいます。本来はこのまま清滝川沿いをそのまま進むのがルートですが、今日はまだ人も少ない神護寺に一旦寄り道することにしました。参道を登りきった辺りには山門に映える青紅葉がきれい映し出されていましたが、境内に足を踏み入れ、愛宕山を望むかわら投げの辺りにはわずかですが、赤く色づく紅葉も見受けられます。
参道を下り、再びトレイルルートへと戻ります。神護寺への登道を今度は左手の高雄ホテルと清滝川の間を川沿いに進みます。途中川沿いには川床が並び、紅葉シーズン真っ盛りを迎えれば絶景の紅葉狩りスポットになること間違いなしでしょう。
ここを抜けると後は清滝川沿いの道を、川の流れと美味しい空気を満喫しながらのんびりと進みましょう。道は東海自然遊歩道のコースにもなっていますので、歩きやすく整備されて、普段はきっと静かな北山杉の並木道を満喫できるでしょう。しかし、今日は偶然にもトレイルランの大会が催されていたようで、次から次へとランナーが走ってきて、「こんにちは」と声を掛けたり掛けられたりで、いつもは静かに歩くトレイルも、今日は挨拶の声が辺りにこだまし続ける、新鮮な体験でした。
暫く杉木立を歩くと清滝川を渡る潜没橋が現れます。透き通った水面を直ぐ足元に見ながら箸を渡れば、錦雲渓広場が現れます。春には満開の桜と清滝川と潜没橋のコントランスが、さぞかし美しい眺めとなるでしょうが、そんな景色を思い浮かべながら、今日は最初の休憩をこちらで取ることにしました。一休みで鋭気を養った後は再び清滝川右岸を清滝に向けて歩きます。これまでのある程度整備された左岸の木立の道とは違い、ここからは川沿いの石畳を歩きますので、川近くでその新鮮な空気を感じながら渓谷美を楽しみつつも、足元は一段と滑りやすくなりますので、一層注意が必要です。愛宕山の二の鳥居を右手に見たあとは、ホタルで有名な清滝の猿渡橋を一旦渡ってから、袂の石段を川べりに降りて、再び蛍橋を渡って右岸に出ます。
ここから落合までがやはり紅葉で有名な金鈴峡と言われるあたりですが、やはり残念ながらまだ紅葉には早いの渓谷美を楽しみながら、自然のオゾンを儒分楽しみながら、トレイルを続けましょう。しばらく歩くと水尾に続く「米買道」との分岐に出ます。再び橋を左岸に渡って川岸を登れば落合橋ですが、この辺りは今日も親子連れがお弁当を広げているような場所ですので、再びちょっとここで休憩を兼ねて川に足を踏み入れ涼を取りました。
さあ、岸を登って府道に出れば右手がすぐ落合橋です。トレイルの標識が少し分かりづらいので注意しましょう。遥か下に清滝川の望みながら橋を渡り、トンネルを潜り直ぐ左手に折れれば保津川左岸の絶景ポイントに出ることができます。ここからの眺望では分かりづらいですが、先ほど割ったのは清滝川、今眼下に見えるのは保津川で、丁度真下が両河川の合流点にあたります。すぐ目の前の書物岩から向こうには小倉山が望め、そして運が良ければ、眼下に保津川下りの船を眺めることもできるかもしれません。
絶景を満喫した後は再び標識5-1に戻り、ここからは鳥居本を目指して車道を進むことになる。車の往来はそれほど頻繁ではないが、見通しの悪いくねくねと曲がった道を登って行くことになるので、車とともに山越えのロードバイク、ロードサイクルにも十分注意しよう。スタートから一気に六丁峠までの登りが1km少し続く。峠を越えれば跡は渡月橋まで下りが続くので、ここが今回のトレイルで体力的にも勾配でも一番の難所だ。
峠を越えると左手に嵯峨天皇皇后嵯峨陵を見ながら下れば、すぐに鳥居本伝統的建造物保存地区に入るので、旧愛宕街道を下りながら鳥居本を散策しよう。流石にこの辺りまでは観光客もまばらだが、何故か欧米人の姿だけが見かけられるのは、彼らが何かの郷愁を感じるのか京都の人出の少ない観光地としてネットでシェアでもされているのだろうか。ここからはトレイルのコースに沿って、嵐山の古刹名刹を覗くのも良し、そのまま渡月橋へ出るのも良しである。流石に竹林の小径辺りまで来ると、これまでの静けさが嘘のような人だかりが続くが、これもまた京都の一つの風物詩だろうか。
トレイルの最後は渡月橋を見渡せるお蕎麦屋さんで、休憩を兼ねて遅めの昼食を頂いた。人気のお店のようで、1時間待ちとのことだったが、ひとりトレイルの恩恵か、偶然にも渡月橋を見渡せるカウンターの一席に空きがあり、待ち時間なしで昼食にありつくことができた。おいしいお蕎麦と渡月橋の風景を眺めながら、トレイルを思い出しつつ、癒された今日のトレイルの締めです。夏場の暑さを避け、涼しくなった最初の3連休、この日だけは、天候にも恵まれ絶好のトレイル日和でした。まだ紅葉には少し早い三尾から清滝でしたが、十分にその渓谷美を楽しむことができた、約4.5時間の道のりでした。
前回スキップしたこのルートを走破して、とうとうこれで京都一周トレイルの京都周回コースはコンプリートです。残りは京都の北、洛北コースですがこちらは来春、桜の頃に足を延ばしたいと思います。