京都一周トレイルRound12
京北トレイル2日目、後半26kmのスタートです。今日は距離と共にアップダウンもかなりありますので、アウル京北でぐっすりと休み、朝食も早めに済ませて7時15分には出発しました。昨日、立寄った祇園夜桜の小桜の脇を通り抜け、旧京北第三小学校の桜と神木大杉を横目に迂回して国道に出ます。しばらく歩くと右手常照皇寺という道路標識が現れるので、井戸峠を経由して今回のトレイルのもう一つのメインでもある常照皇寺へ向かうことにします。途中林道と府道を行き来しながら井戸峠を越えて、府道に戻ると山国御陵に突き当たります。コースは右折ですが、直ぐ左手に常照皇寺が見えますので、こちらで休憩を兼ねて今回お目当ての名物の桜を鑑賞することにします。天然記念物の「九重桜」、御所から株分けされた「左近の桜」は既に葉桜となっていましたが、後水尾天皇が何度も見返したと言われる「御車返しの桜」は丁度満開から散り始めというところで、地面一面に散った桜の花びらと共に、満開の桜を独り占めにして楽しむことが出来ました。
一休みを終えたところで改めてトレイルコースに戻り、山国御陵前から上桂川沿い辿り天童山方面を目指します。上桂川沿いへの入り口でも、初日のコースと同様、設けられているの防獣柵を開けて、コースへと進みます。ここでも川のすぐ側の石畳を歩くようなコースで、ガイドブックの「光厳古道」という名称と何となく違和感を覚えるのと、途中ルート標識にも気が付かなかったこともあり、一瞬道を間違ったかと思ってしまいました。そんな時に、右側斜面上を仰ぐと歩道らしきものが見えたので、登ってみると防獣柵の出口が見えて事なきを得ました。やはり逆ルートで辿っていることで、本来ならすんなりと辿れるルートを迷ってしまうことになり、改めて注意して歩を進めないといけません。防獣柵を抜けれてしばらく行けば国道へと合流しますので、そこからは左手に上桂川とその向こうの天童山の山並を眺めつつ、のんびりと歩くことが出来ます。のどかな田園風景と川沿いの桜並木は疲れた身体への恰好のパワー注入剤にもなります。
やがて亀ノ甲橋で上桂川を渡り、右に折れれば田園風景とはお別れし、再び山へ登るルートへと進みます。登山道へ分け入る前に、まずは杉木立で覆われた加茂神社へ立ちより、この後の無事と完歩を今日も祈願しました。ここからは山沿いをトラバースしながらかなりきつい林道を登って行きますので、途中休み休みで体力と相談しながらのトレイルになります。標識18の竜ヶ坂峠まで登り切れば、コースはこの後、茶飲峠方面へ下って行きます。今回はガイドブックお勧めのハングライダー離着陸場跡まで更に登って、昼食を取りながら京北の景色を眺めてみることにします。左手に石段が見えてきたらその上が離着陸場跡ですが、そこを登れば、眺めは本当に絶景です。遮るものの無い一面の空・山・田園を一人占めにして食べる、昼食の味はまた格別です。ただ、今は跡地とのことですが、この山頂まで一体どのようにしてハングライダーを担いできたのかは大いに疑問なのですが。
茶飲峠からは左手に西之谷川を見ながら大森の集落へ向かって下って行きます。ここは車も通れる林道ですので、ゆったりと歩くことが出来ますが、ごくまれに車が行き交うこともあるので注意しましょう。大森の集落を少し歩いた後は再び伏見坂方面へと登り、余野を経由して滝又の滝方面へと向かいます。滝又の滝へ登る山道も川沿いを進みますので、足元に注意しながら慎重に歩を進めましょう。滝の上から急な斜面を下って行くと標識4-1に行きあたりますので、直ぐ左手に滝が見えます。ここにも人は誰もいませんので、のんびりと滝を眺めて静かに滝の音に耳を傾けられる絶好のヒーリングスポットです。
この後は時間が許せば滝又の石仏群を眺めるも良しですし、そのまま轟谷の流れに沿って細野に向かって下るも良しです。赤の鉄橋をいくつか渡れば目の前に周山街道と滝又の石仏パーキングが見えてきますので、漸く今回の京北周回コースのスタート地点の細野口にたどり着きました。今日一日で26km,8時間のトレイルです。京北コース2日間44km,14時間の初めての長丁場でしたが、両日とも天気に恵まれ、またいつもの京都市街地の喧騒を離れて、田舎の空気を満喫することが出来た最高の京都トレイルでした。お陰様でこれをもって当初の目標だった京都トレイル全コースを2年間に渡って訪ね歩き、コンプリートすることが出来ました。京都観光の楽しみは歴史のある神社仏閣を訪ね歩くことも一つですが、もう一つの楽しみを今回この京都トレイルで味わうことができ、感謝感謝です。