丹波栗のふるさと、京丹波を訪問してきました。
先日丹波栗の産地、京丹波を訪問してきたので、今回はその様子をお伝えしたいと思う。京丹波地域とは京都中央部の亀岡市、南丹市、京丹波町、綾部市、福知山市と兵庫県の丹波市、丹波篠山市一帯を指す名称だ。丹波栗とは実は栗の品種ではなく、その丹波・篠山地域でとれる和栗の総称だそうだ。6月のこの時期は栗の木が花をつける「開花期」にあたり、ほんのわずかなこの期間だけ、栗花を楽しむことができる。かくいう私も栗花を付けた栗の木を見るのは初めての経験である。天候や害虫等様々な要因が収穫量に影響するが、秋の栗の収穫に向けて期待と不安が入り混じった栗のシーズンが、ここからいよいよ本格的に始まる。今回はそんな中、梅雨入り間近の京丹波と綾部の栗農園を訪問してきた。
京丹波町へは京都縦貫自動車道を利用して1時間ほどで到着する。まずは丹波インターチェンジを降りてすぐの、丹波農園さんを訪問させて頂いた。30年程前に農園をスタートされ、今は19ヘクタールの土地に約4000本の栗の木を育てている。収穫量は20トンを超えて、この地では最大の栗農園さんだ。農園は大きく3か所に分かれているが、その広大な敷地に「銀寄」や「筑波」など品種毎に低木の栗の木が植えられている様は、まるで観光農園に来たようで、見た目も圧倒される。この広大な農園で大事に育てられた丹波栗が秋には私たちの手元に届き、秋の味覚を満喫させてくれることだろう。
次は綾部の農園に足を延ばすことにするが、その前に途中地元の食堂で昼食を楽しみたい。今回は地元の食材を中心に親子丼やうどんがお勧めの「ひと粒 綾部店」さんへお邪魔した。親子丼はふわふわの卵と鶏肉が絶品で、うどんも出汁が程よく効いた優しい味。昼過ぎにも関わらずかなりの数のお客さんが入っていたが、広い駐車場もあり使い勝手も良く、次回もまた足を運びたいなと思わせるお店である。
お腹も満たされたところで、次の目的地である綾部のエル・ファーム大槻さんへお伺いしよう。大槻さんは先ほどの丹波農園さんとは趣も異なり、斜面も合わせた2ヘクタールの土地に約800本の栗の木を育てている。こだわりは無農薬の自然栽培で「銀寄」や「ぽろたん」といった有名品種は勿論だが、幻の品種と呼ばれる「栗峰(りほう)」やオリジナル品種の「好実(このみ)」の栽培に力を入れている。栽培量は5トンほどと丹波農園さんには規模は劣るが、チーズケーキ専門店とのコラボや希少品種の栽培など独自のブランド化にも積極的に取り組んでいる。
今回初めて栗農園を訪問したが、想像していた以上の広さや栽培に対するこだわり、苦労等改めて勉強になることばかりだった。一方で和栗の著名ブランドとして知られる丹波栗だが、その生産量は最盛期(昭和53年)の1500トンから令和2年には100トンと大幅に減少している。その様ななか、何とか生産を維持しながらブランド力の更なる向上に努める栗農家さんの努力に触れ、少しでもそのお役に立てればと強く感じた京丹波の栗ツアーだった。